Mail magazine中国知財ニュースレター 第四号

No.004中国知財ニュースレター 第四号

2016.11.22

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 中国知財ニュースレター 第四号 2016.12.13
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 VANZEN & Beijing East IP
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 ◆ 中国IPオピニオン 第四回
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【中国『消費者権益保護法』における懲罰的損害賠償制度】(四)

 前回は懲罰的存在賠償に関する中国法律上の規定に関して説明してきました。中国の懲罰的損害賠償制度は1994年1月1日施行の『消費者権益保護法』で規定され、2014年3月15の改正『消費者権益保護法』第55条ではこれまでの消費詐欺に関する懲罰的損害賠償類型以外にも人身に対して重大損害を発生させた場合の懲罰的損害賠償類型も追加しました。さらに消費詐欺での損害賠償限度額基準の引き上げも規定しました。
 以上の規定が定める中国の懲罰的賠償責任が契約上の責任なのか、それとも不法行為による責任なのかという点で論争が生じました。この違いは主に損失の認定や訴訟時効などに関して問題となってきます。
 中国国内の有力説は『消費者権益保護法』の規定する懲罰的損害賠償制度は契約上の責任として主に以下の三つを挙げます。①『契約法』第113条第2項は『消費者権益保護法』の責任も契約責任として考えています。②事業者が偽物商品やサービスを提供することはそれに重大な瑕疵が存在しており契約上の違約責任を負うべきです。③『消費者権益保護法』第55条の懲罰的存在賠償は消費者と事業者間の争いで契約関係に依る民事責任であると考えられます。
 以上のように中国『消費者権益保護法』の規定する懲罰的損害賠償制度は契約上の責任としてみることもできますが、それに反論して不法行為に関する責任だと捉える考えも多く存在しています。例えば『契約法』第113条第2項の規定だけで懲罰的損害賠償の適用領域を契約責任に限定する必要性はないのではと言えますし、『消費者権益保護法』第55条も詐欺行為への制裁を規定してだけなのでその文言からは瑕疵担保責任とは断定できないのではないかとも考えられます。さらに契約が存在していても不法行為責任の可能性もあるのではないかとも言えるでしょう。このように『消費者権益保護法』の規定する懲罰的損害賠償制度は契約上の責任とも考える余地はありますし、不法行為に関する責任だと捉えることもできるわけです。

<佐藤孝弘>
バンセン合同会社COO、法学博士、北京大学企業と会社法研究センター客員研究員(教授格)、華東政法大学経済法律研究院客員研究員(教授格)、単著2冊、翻訳1冊(翻訳代表)、中国語、英語等で50編以上学術論文発表。中国での滞在は23年間におよび、弁護士事務所、コンサルティング会社などで法務やコンサルティング業務に関わる。現地の弁護士事務所と共に知財関連の講座を10数回開催する。


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 ◆ 中国IPニュース
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■中華人民共和国インターネット安全法
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『中華人民共和国インターネット安全法』は、インターネットの安全を保障し、インターネットスペースの主権と国家の安全及び社会の公共利益を擁護し、公民、法人及びその他組織の合法的な権利と利益を保護し、経済社会の情報化の健全な発展を促すために制定する。全国人民代表大会常務委員会により2016年11月7日に公表され、2017年6月1日より施行される。

http://www.china.com.cn/legal/2016-11/08/content_39657489.htm


■ワンストップで5庁のファミリー出願審査情況を照会----グローバルファイルの紹介
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世界で最も重要な経済体である中米欧日韓5ヶ国/地区は世界の82%の特許出願を保有している。グローバルなイノベーション活動を促進するため、中米欧日韓5つの特許庁は5庁の連携を通じてプロジェクトを展開しており、グローバルファイルはそのうちの一つである。益々多くの出願者が同じ技術方案を5庁に対して同時に特許出願(即ちファミリー特許出願)を提出して、各国家/地区における保護を追求している。出願者及び公衆が自分が使い慣れた言語でワンストップ式に関連出願の5庁における審査情況を照会することを支援するために、5庁は積極的に協力しあって、文献と情報を共有し、且つそれぞれ自国/地区の特徴に合わせてグローバルファイルシステムを設置した。そのうち中米欧韓4庁のシステムは2014-2015年に運用を開始し、日本特許庁のシステムは2016年から運用開始の予定である。各庁のグローバルファイルシステムにログインすることにより、公衆はワンストップ式に5庁の審査過程の文献と通知書、サーチ報告、引用情報等の情報にアクセスすることができる。中国、日本及び韓国のファイル文献については、オリジナルの言語以外に、システムによる英文翻訳も提供され、ユーザの言語の障害を取り除く支援が得られる。

1.中国及び多国特許審査情報照会システムウェブサイト
  http://cpquery.sipo.gov.cn/

2.米国特許商標庁グローバルファイルウェブサイト
  http://globaldossier.uspto.gov/

3. ヨーロッパパテントレジスター(European Patent Register)ウェブサイト
  http://www.epo.org/searching/free/register.html

4.韓国特許庁グローバルファイルウェブサイト
  http://kopd.kipo.go.kr/

5.日本特許庁グローバルファイルは2016年に運用開始予定で現在準備中。
  http://www.acpaa.cn/article/content/201611/3990/1.html


■『特許審査基準の修正草案(公開意見募集稿)』
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中共中央国務院の『体制・メカニズムの改革深化とイノベーション主導型発展戦略の速やかな実施に関する若干意見』(中発〔2015〕8号)及び『国務院の新情勢における知的財産権強国の速やかな建設に関する若干意見』(国発〔2015〕71号)に表された精神を徹底的に実施するために、現在の社会を反映する顕著な問題、必要に迫られている新業態イノベーション成果の保護、実験データ追加提出の審査原則、登録後の特許文献の補正等の問題を速やかに解決し、特許審査制度の弛まぬ改善を促進するために、国家知識産権局は充分な研究論証を基に、何度も修正を行った上で、『特許審査基準の修正草案(公開意見募集稿)』を形にした。

http://www.sipo.gov.cn/tz/gz/201610/t20161027_1298360.html


■特許復審委員会は国内初めてのGUI無効審判請求案を公開で審理
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10月28日、国家知識産権局の専利復審委員会は国内初めてのグラフィックユーザインターフェース(GUI)意匠の無効審判請求に関連する案件に口頭審理を行い、100名余りの社会各界の有識者及びメディア記者等が傍聴した。コンピューター、スマートフォンのアプリケーションの常態化と普遍化に伴い、GUIはインターネット+、電子ビジネス分野で非常に幅広く応用されるようになってきた。本案は2014年5月1日にGUIに係る製品が意匠保護の客体として加えられて以来、初めての行政無効審判案となり、法律問題が顕著で、業界内の注目度が高く、社会へ与える影響が大きい案件である。当案件の審理は同様の意匠無効審判の判断基準の設定する上で重要な意義がある。また、意匠の比較判定は関連特許保護範囲に対する理解と切り離せないので、グラフィックユーザインターフェースに係る意匠保護範囲の認定に対して重要な影響を及ぼす可能性がある。

http://www.sipo-reexam.gov.cn/xwgg/news2/11933.htm


■北京知的財産法院は初めて行政訴訟で信義則違反による罰金通知書を発行
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先日、某商標取消復審行政紛争案件において、当事者が訴訟中に偽証を提出し訴訟を妨害した行為に対し、北京知的財産法院は法に照らして最高罰金1万元を請求する決定を下した。情報によると、これは北京知的財産法院が行政訴訟において初めて信義則違反による罰金通知書を発行したケースである。

http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?newsId=96344


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 「北京知的財産権法院のデータ分析報告書(2015年度)」無料進呈のお知らせ
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このほど、Beijing East IPと提携しているIPHOUSE司法データ研究センターが「北京知的財産権法院のデータ分析報告書(2015年度)」を発表いたしました。ご希望の方に日本語版PDFを差し上げますので、下記要領にてお申込みください。なお、英語版または中国語版をご希望の方はその旨お書き添えください。

<お申込み方法>
必要事項をご記入の上、下記メールアドレスまでご連絡ください。

お申込み・お問い合わせ先:info@beijingeastip.com
メールタイトル:「2015年北京知的財産権法院のデータ分析報告書」申込み

【氏名】
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Beijing East IPについて
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元中国国家知識産権局局長の高盧麟が会長の中国北京の特許事務所&法律事務所で、主に海外企業へ中国での特許・実用新案・意匠・商標等の出願、特許調査、無効審判・訴訟代理、セカンドオピニオンの提供など知的財産のトータルサービスを提供しています。東京にも事務所があります。

バンゼン合同会社について
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バンゼンは日本の技術と中国をはじめ世界各国の技術を紹介し、企業ビジネスマッチングのトータルサービスを提供しています。

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