Mail magazine中国知財ニュースレター 第六号

No.006中国知財ニュースレター 第六号

2017.03.02

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 中国知財ニュースレター 第六号 2017.3.2
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 VANZEN & Beijing East IP
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 ◆ 中国IPオピニオン 第六回
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【中国『消費者権益保護法』における懲罰的損害賠償制度】(六)
 前回は王海の消費者権益保護法に依拠した偽物を摘発する活動を簡単に紹介しましたが、今回もその活動をもう少し紹介していきたいと思います。
 王海は1973年に山東省青島にうまれ、偽物の摘発と賠償金請求によって有名になりました。その活動は多くのメヂィアで報道され、賛否両論多くの論議を巻き起こしてきました。しかし王海の活動のすべてが純粋に偽物に対するものとはいえないことには企業は注意する必要があります。前回紹介したソニーの案件も偽物とは言えないケースでした。そのほか特に有名なケースとしては2011年9月のナイキバスケットシューズ事件があります。ことの発端は中国で売られているナイキバスケットシューズの国内価格が国外よりも日本円で約1万円高いこと、国外のシューズにはエアが二つあるのに中国国内販売の製品には一つしかないにもかかわらずナイキは広告ではエアが二つあるとしていたことを理由に王海が問題としたことです。王海はナイキの詐欺行為に当たるとして北京市交渉局西城分局に通報し、ナイキはすべての購買者に価格に値する費用を返したうえでその二倍の懲罰的賠償をすべきであると主張しました。結局この事件ではナイキは、商品の返却を購買者に約束し、それに加えて工商局はナイキに対して487万元(8000万円)の罰金を要求しました。同じ2011年には王海はアップルに対しても携帯電話の補修期間が短くなっていることを理由に提訴しています。
 今でも王海は四つの専門に偽物を摘発する会社を北京、南京、天津、深圳に設立して活動を継続しています。この10年ほどに限ってもIT産業だけでシャオミー、アップル、金山、サンディスク、チャイナネットコムなど様々な国内外の著名な会社に意見を提示し訴訟を起こしています。日本の企業もこの点から中国での商品販売、サービス提供に関してより注意をしていく必要があるでしょう。


<佐藤孝弘>
バンセン合同会社COO、法学博士、北京大学企業と会社法研究センター客員研究員(教授格)、華東政法大学経済法律研究院客員研究員(教授格)、単著2冊、翻訳1冊(翻訳代表)、中国語、英語等で50編以上学術論文発表。中国での滞在は23年間におよび、弁護士事務所、コンサルティング会社などで法務やコンサルティング業務に関わる。現地の弁護士事務所と共に知財関連の講座を10数回開催する。


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 ◆ 中国IPニュース
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■1.5庁(IP5)特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway)の試行期間を3年間延長
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欧州特許庁、日本特許庁、韓国特許庁、中国国家知識産権局、米国特許商標庁が2014年1月6日より実施してきた5庁(IP5)特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway)は2017年1月5日で3年間の試行期間を満了しました。5庁は、2017年1月6日からの3年間さらに試行を続けることを共同で決定しました。詳細については各特許庁のウェブサイトをご覧ください。

http://www.sipo.gov.cn/ztzl/ywzt/pph/zxdt/201701/t20170104_1307487.html


■2.四都市で知的財産広域管轄法廷を設立
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このほど、最高人民法院は『最高人民法院は南京市、蘇州市、武漢市、成都市の中級人民法院内における専門審判機構内設且つ一部知的財産案件の広域管轄の同意に関する承認』を通達し、上述4つの中級法院が知的財産案件を専門的に審理する機構を内設することに同意しました。
情報によると、南京市中級人民法院は南京、鎮江等9つの管轄区内の第一審知的財産民事案件(商標、著作権、不正競争行為案件の訴訟標的額300万元以上)、第一審知的財産行政案件等を管轄し、蘇州市中級人民法院は蘇州、無錫等4つの管轄区内の第一審知的財産民事案件(商標、著作権、不正競争行為、技術契約紛争の訴訟標的額300万元以上)、第一審知的財産行政案件等を管轄することができ、武漢市中級人民法院は湖北省管轄区内の特許、植物新品種、集積回路配置設計、技術秘密、コンピューターソフトウェア、馳名商標認定及び独占に関する紛争の第一審知的財産民事と行政案件、及び一部の武漢市管轄区内で発生した商標、著作権、不正競争行為、技術契約に関する紛争の第一審知的財産民事と行政案件を管轄することができ、成都市中級人民法院は四川省管轄区内で発生した特許、植物新品種、集積回路配置設計、営業秘密、コンピューターソフトウェア、馳名商標認定及独占に関する紛争の第一審知的財産民事と行政案件、及び一部の成都市管轄区内で発生した商標、著作権、不正競争行為、技術契約に関する紛争の第一審知的財産民事と行政案件を管轄することができるとのことです。

http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?newsId=97381


■3.改訂版『商標審査及び審理基準』に関する通知の公布
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商標審査と商標審理業務をさらに規範化して向上させ、商標登録円滑化の改革を推進し、商標公共サービスレベルを向上させるために、商標局と商標評審委員会は『商標審査及び審理基準』の改訂を非常に重視しており、幅広く各方面の意見を聴取し、国外審査基準を手本とし、長年の商標審査、審理実践の基礎を結集し、『商標審査及び審理基準』に対して改訂を行いました。改訂後の『商標審査及び審理基準』はすでに国家工商総局の審査を通過し、公布されました。

http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201701/t20170104_173964.html


■4.ニース分類第十一版使用開始に関する通知
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世界知的所有権機関(WIPO)の要求に基づき、ニース連盟の各メンバー国は2017年1月1日より正式にニース分類第十一版の使用を開始します。それに伴い、国家知識産権局は『類似商品とサービス区分表』に対して関連個所の修正を行ないましたので、修正内容を通知いたします。本修正は2017年1月1日より施行されますので、関連部門は内容を確認し、新しい分類表で対応できるよう業務の準備を行ってください。出願日が2017年1月1日以降の商標登録出願には新しい分類表が適用され、2016年12月31日以前の商標登録出願には旧バージョンが適用されます。

http://sbj.saic.gov.cn/sbyw/201612/t20161226_173713.html


■5.「Cars」が「自動車人総動員」に勝訴 賠償135万人民元を獲得
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12月29日、「Cars(中国語名:賽車総動員)」は「自動車人総動員」を訴え勝訴し 、ディズニー社とピクサー社は135万人民元余りの賠償を獲得しました。
2015年7月、『自動車人総動員』と称する国産アニメ映画が上映されましたが、ディスニー社及びピクサー社はこの映画の名称、動画イメージから宣伝ポスターは、自社の2つの著名映画『Cars』、『Cars 2』に剽窃の疑いがあることに気が付きました。ディズニー社、ピクサー社は、映画の制作者である厦門藍火焰影視動漫有限公司(以下「藍火焰公司」と称する)、発行者である北京基点影視文化伝媒有限公司(以下「基点公司」と称する)等を法院に提訴しました。
上海市浦東新区人民法院は本案に対する一審判決を下し、各被告は直ちに著作権侵害及び不正競争行為を停止するとともに、藍火焰公司は原告の損失100万人民元を賠償すること、基点公司はその内80万人民元の連帯賠償責任を引き受けること、両社へ原告の権利保護合理費用35万元余りを賠償することを命じました。

http://www.iprchn.com/Index_NewsContent.aspx?NewsId=97222


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 ◆ 中国知財豆知識
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中国以外の国へ特許出願する際の秘密保持審査


■1.秘密保持審査の関連規定
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特許法第20条:いかなる事業体或いは個人は中国で完成した発明或いは実用新案を中国以外の国へ特許出願する際、予め国務院特許行政部門に秘密保持審査を届け出るものとする。秘密保持審査の手続き、期限等は国務院の規定に基づき施行する(第1款)。
本条第一款規定に違反して外国へ特許出願した発明或いは実用新案については、中国での出願特許に、特許権を付与しない(第4款)。


■2.秘密保持審査の出願方式
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1)直接外国へ第一国出願提出、或いは外国の関連機構へPCT国際出願提出を準備する(単独請求)
外国への出願の前に秘密保持審査請求を提出し、且つその技術案を詳細に説明する必要があり、手続き要求は下記の通りである。
・外国への出願特許秘密保持審査請求書 + 技術案説明書
・紙の書類を提出
・代理機構への委託

2)中国で第一国出願を提出した後、外国へ特許出願を提出する(関連請求)
中国特許出願提出と同時或いは後、且つ外国へ特許を出願する前に秘密保持審査請求を提出することができ、手続き要求は下記の通りである。
・外国への出願特許秘密保持審査申請書 + 技術案説明書
・中国特許出願手続を取り扱う代理機構によって取り扱うものとする

3)PCT中国受理局へPCT出願を提出する(既定の請求)
PCT中国受理局へPCT出願を提出すると、同時に秘密保持審査請求を提出したとみなされ、単独の秘密保持審査請求書類は必要ない。

秘密保持審査について、ご質問などございましたら、弊所までご連絡ください。
(弊所連絡先:info@beijingeastip.com)


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Beijing East IPについて
── http://www.beijingeastip.com/ja/
元中国国家知識産権局局長の高盧麟が会長の中国北京の特許事務所&法律事務所で、主に海外企業へ中国での特許・実用新案・意匠・商標等の出願、特許調査、無効審判・訴訟代理、セカンドオピニオンの提供など知的財産のトータルサービスを提供しています。東京にも事務所があります。

バンゼン合同会社について
── http://www.vanzen.jp/
バンゼンは日本の技術と中国をはじめ世界各国の技術を紹介し、企業ビジネスマッチングのトータルサービスを提供しています。

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発行:バンゼン合同会社 http://www.vanzen.jp/
〒102-0073 東京都千代田区九段北一丁目5番10号
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