Mail magazine中国知財ニュースレター 第九号

No.009中国知財ニュースレター 第九号

2017.06.28

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 中国知財ニュースレター 第9号 2017.6.28
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 VANZEN & Beijing East IP
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 ◆ 中国IPオピニオン 第九回
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【中国『中外合資経営企業法』等における外国側の知財での出資】(三)
 前回はノウハウによる投資に関して少し説明しました。ノウハウによる投資に関してはまだまだ賛否両論があるのですが、ノウハウや技術を投資若しくは譲渡するほかに、それらの技術等を教える契約を結ぶことがあります。この場合、その契約内容が技術サービス料なのかそれとも特許使用料に関するものなのかで、現地の税務署と交渉する必要がある場合があります。なぜなら『日中租税協定』第七条第一項では「一方の締約国の企業の利得に対しては、その企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行わない限り、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。一方の締約国の企業が他方の締約国内にある恒久的施設を通じて当該他方の締約国内において事業を行う場合には、その企業の利得のうち当該恒久的施設に帰せられる部分に対してのみ、当該他方の締約国において租税を課することができる。」とされていて、普通の事業の場合、中国で日本企業は税金を納める必要はありません。その例外はこの条文に規定されている「恒久的施設」が中国国内にある場合及び協定の第八条以下に定められている国際運輸に運用することによって取得する利得、配当、利子、特許使用料等の収入の場合です。ここでの特許使用料とは特許、ノウハウ、著作権等の権利の使用を許可するための費用を指します。もし特許使用料と認定されれば、中国の税務署に10%の企業所得税を納税しなければなりません。本来の中国企業所得税は利潤の25%なのでそれに比べれば負担が少なく、またその納税額は租税協定によって日本の法人税と相殺することができるので、表面的に見ればそれほど重い負担ではないように思われます。しかし問題はその10%の納税額は経費などがほとんど引かれない状況での納税ということです。もし利潤率が低い企業の場合、日本で法人税と相殺するくらいでは到底割の合わないものとなるわけです。それ故、そのような特許使用料を逃れるために、多くの企業が技術サービス料や技術コンサル費用などの名目にし、中国の税務署とその当否を争うことになります。


<佐藤孝弘>
バンセン合同会社COO、法学博士、北京大学企業と会社法研究センター客員研究員(教授格)、華東政法大学経済法律研究院客員研究員(教授格)、単著2冊、翻訳1冊(翻訳代表)、中国語、英語等で50編以上学術論文発表。中国での滞在は23年間におよび、弁護士事務所、コンサルティング会社などで法務やコンサルティング業務に関わる。現地の弁護士事務所と共に知財関連の講座を10数回開催する。


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 ◆ 中国IPニュース
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■1.ファーウェイ権利保護初案でサムソンの権利侵害が成立し8000万元賠償の判決
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泉州中級人民法院が受理したファーウェイ社の権利保護案一審宣判が下された。——サムソン(中国)投資有限公司(以下「サムソン社」と称する)等三被告はファーウェイ終端有限公司(以下「ファーウェイ社」と称する)の特許に対する権利侵害を構成し、8000万元を共同で賠償しなければならない。これは泉州中級人民法院民三廷が成立以来受理した案件で目標額が最も高い案件で、またファーウェイ社の全国一連の権利保護案で初めて判決が下された案件である。

http://www.ipraction.gov.cn/article/xxgk/dxal/zl/201704/20170400131663.shtml


■2.ソニー携帯電話特許権利侵害で910万元余りの賠償判決
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西安西電捷通無線ネットワーク電気通信株式有限公司(以下「西電捷通社」と称する)がソニーモバイル通信製品(中国)有限公司(以下「ソニー社」と称する)を訴えた特許権利侵害案について、北京知的財産法院は一審判決を下し、ソニー中国公司が西電捷通公司のWAPIに係る標準必須特許を権利侵害していることを認定し、関連する特許権を侵害する行為を直ちに停止し、合計910万元余りを賠償する判決を下した。

http://www.ipraction.gov.cn/article/xxgk/dxal/zl/201704/20170400131447.shtml


■3.商標登録料徴収基準を4月1日より50%値下げ
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公告に基づき、今回徴収基準が低減される項目は全部で13項目で、具体的には商標登録料、商標登録証再発行料(遺失声明掲載費用を含む)、登録商標移転料、商標更新登録料、更新登録遅延料、商標審判請求料、変更料、商標証明書発行料、団体商標登録料、商標登録証明料、商標異議申立料、商標取消料、商標使用ライセンス契約登録料である。そのうち、最も基礎となる商標登録料は600元から300元に低減される。

http://tech.huanqiu.com/news/2017-02/10092531.html


■4.「2016年中国の研究価値のある知的財産裁判判例トップ10」の選考結果が発表
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上海知的財産研究所により開催された「2016年中国の研究価値のある知的財産裁判判例トップ10」選考イベントの結果が発表された。社会の推薦と専門家の指名により、上海知的財産研究所はまず30件の候補判例を選出し、さらに公衆の投票と専門家評審により、最終的に下記判例がトップ10に決定した。

1.「喬丹」(Jordan)シリーズ商標案件:先行姓名権保護の条件
2.「奇跡MU」案件:ゲーム全体画面が映画作品に類似するものを構成する
3.「好孩子」(GoodBaby)案件:意匠権利侵害の判断基準
4.新浪が脈脈(MaiMai)を提訴した案件:ユーザ情報の違法獲得による不正競争行為
5.「同慶号」案件:使用を中断した老舗と商標権利益のコンフリクト
6.シーメンスがSIEMIVESを提訴した商標侵害案件:「司法レベル分析法」での初の実践
7.亜拓士(ACTOZ)と娯美徳(Wemade Entertainment)の著作権訴前差し止め命令案件:共有権利者の対外登録の限制
8.テンセントが快看影視を提訴した案件:サーバ基準が情報ネットワーク伝達権権利侵害を認定する合理的基準
9.火猫が闘魚を提訴した案件:e-Sportsライブ不正競争紛争の初例
10.達索公司ソフトウェア権利侵害紛争:立証妨害の不利責任推定規則の適用

http://www.cipnews.com.cn/Index_NewsContent.aspx?newsId=99094


■5.上海初めての科学技術イノベーション知的財産白書が発表
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上海知的財産法院は審判白書の配布及び司法保護座談会を開催し、3部の審判白書と20件の典型的な判例を発表し、そのうち2部の白書は初めての科学技術に係るイノベーションに対する知的財産、即ち『コンピューターソフトウェア著作権案件審判情況』と『特許案件審判情況』を発表したものである。
白書によると、2015年から2016年、上海知産法院は合わせて専利案件1011件を受理し、結審は657件であり、コンピューターソフトウェア著作権案件598件を受理し、結審は512件であった。新タイプ、新技術に係る案件が比較的多かった。また、コンピューターソフトウェア開発契約紛争においては、半分近くが携帯電話用のAPPソフトウェアに係るもので、モバイルゲーム、医療、教育、ビューティーコスメ等多分野に渡った。

http://epaper.legaldaily.com.cn/fzrb/content/20170413/Articel03007GN.htm


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元中国国家知識産権局局長の高盧麟が会長の中国北京の特許事務所&法律事務所で、主に海外企業へ中国での特許・実用新案・意匠・商標等の出願、特許調査、無効審判・訴訟代理、セカンドオピニオンの提供など知的財産のトータルサービスを提供しています。東京にも事務所があります。

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バンゼンは日本の技術と中国をはじめ世界各国の技術を紹介し、企業ビジネスマッチングのトータルサービスを提供しています。

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