Mail magazine中国知財ニュースレター 第十号

No.010中国知財ニュースレター 第十号

2017.08.28

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 中国知財ニュースレター 第10号 2017.8.28
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 VANZEN & Beijing East IP
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 ◆ 中国IPオピニオン 第十回
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【中国『中外合資経営企業法』等における外国側の知財での出資】(四)
 前回は日中租税協定で日本企業が特許使用料と認定されないために、多くの企業が技術サービス料や技術コンサル費用の名目で中国側と契約を結び企業所得税を逃れようとすることを説明しました。ただこのような技術サービス料が特許使用料と判断され、企業所得税を納めなくてはならない場合があります。「租税協定に関する特許使用費条項の執行における問題の通知」では技術サービス側がサービス過程で技術譲渡をしないかライセンス許可を実施する場合、原則としてその対価は特許使用料として判断されません。しかしその技術サービスの過程で生じた新たな技術に関して技術サービス提供側が依然として所有権を保持し、サービスを受ける側がただの使用権のみ持つにすぎない場合、その技術サービス料は特許使用料と認められ、企業所得税を納税しなければなりません。また技術サービス提供側が提供する技術サービスと、技術サービス提供側が実行する譲渡やライセンス許可での技術が等しい技術の場合、技術提供側が実施した技術サービスは特許使用料とみなされ企業所得税の対象となります。
 以下では特許使用料とみなされるもう一つの要件、「恒久的施設」を紹介して行こうと思います。「恒久的施設」は子会社などのものではなく、外国会社の持つ中国国内の活動場所などを指します。それに関しては「国家税務局外国企業が中国国内で労務活動を提供したことに関する恒常的施設の判定及び利潤の帰属問題における回答」に規定があります。それによれば例えばあるプロジェクトがあって、その現場に6か月以上人員がいる場合、技術サービスのために人員を派遣し、その被派遣者が当地で6か月以上滞在した場合なども、その人員は「恒久的施設」とみなされ、やはり課税の対象となります。


<佐藤孝弘>
バンセン合同会社COO、法学博士、北京大学企業と会社法研究センター客員研究員(教授格)、華東政法大学経済法律研究院客員研究員(教授格)、単著2冊、翻訳1冊(翻訳代表)、中国語、英語等で50編以上学術論文発表。中国での滞在は23年間におよび、弁護士事務所、コンサルティング会社などで法務やコンサルティング業務に関わる。現地の弁護士事務所と共に知財関連の講座を10数回開催する。


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 ◆ 中国IPニュース
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■1.最高人民裁判所は初めて知的財産司法保護綱要を発表
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最高人民裁判所は、このほど、『中国知的財産司法保護綱要(2016-2020)』を発表した。『綱要』は知的財産司法保護業務の指導思想と基本原則を明確にした。『綱要』は30余年の知的財産司法保護を総括、集約、抽出した「中国の道」の成功経験を基にして、初めてシステム的でイノベーション的な協調開放の知的財産司法保護政策システムの建立等8つの目標を打ち立て、このため最高裁は15項目の重点施策を発表した。これは最高裁が初めて専門審判分野に対して制定し発表した保護綱要である。そのうち、協調開放の知的財産司法保護政策システムの建立、バランス良く発展する知的財産裁判所システム、科学合理的な知的財産損害賠償制度システム等は、鮮明に中国の特色を有している。

http://www.chinacourt.org/article/detail/2017/04/id/2822912.shtml


■2.商標評価・審査は口頭審理が可能に
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工商総局は、このほど『商標評価・審査における事件口頭審理弁法』を発表し、商標の評価・審査において事件当事者は商標委員会の進行のもと、関連証据に対して現場で証拠を検証することができることとなり、証拠の効力を確定することにより、事件事実の究明に役立たせて、中でも事件の情況が復雑な事件の事実を究明し、事件の評価・審査の公正な審理を保障することを明確にした。

http://www.ce.cn/xwzx/gnsz/gdxw/201705/09/t20170509_22627749.shtml


■3.中国科学院知的財産投資会社は米国会社の権利侵害を提訴
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このほど、深セン中国科学院知的財産投資有限公司は、広州知的財産裁判所と深セン中級人民裁判所に向けて米国科鋭公司と惠州科鋭半導体照明有限公司がその特許権を侵害していると訴えた。中国科学院はLED分野で千件近くの特許を保有しており、LED、外延、チップ、パッケージ、照明等川上・川下産業にまで分布しており、且つ特許保有数は益々増加している。深セン中国科学院知的財産投資有限公司は中国科学院唯一の知的財産ビジネス運用会社として中国科学院の特許を産業化、商業化することを目的として、企業の科学技術イノベーションのために貢献する。

http://www.iprchn.com/cipnews/news_content.aspx?newsId=100108


■4.2016年中国裁判所の知的財産事件トップ10を発表
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4月24日、最高人民裁判所は「2017年知的財産宣伝週間記者会見」を開催した。この宣伝週間期間に、最高人民裁判所は2016年中国裁判所の知的財産事件トップ10を発表した。具体的なトップ10事件は下記の通りである。

1.「喬丹」(Jordan)シリーズ商標事件
2.「慶豊」商標権侵害と不正競争紛争事件
3.「非誠勿擾」商標侵害事件
4.「熱安定のグルコアミラーゼ」特許無効宣告事件
5.「拉菲」と「拉菲荘園」商標行政事件
6.「美容器」意匠権侵害事件
7.「筆」意匠権侵害事件
8.「頭でっかちの息子(大頭息子)」著作権紛争事件
9.「美人楡」植物新品種権利侵害事件
10.汪紫平の営業秘密侵害無罪宣告事件

http://www.court.gov.cn/zixun-xiangqing-41672.html


■5.グーグルはPAXパテントプールを創設:世界のアンドロイドメーカーと23万件の特許を無料で共有
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グーグル(ウェイボー)が開発したオープンソースのオペレーティング・システムであるアンドロイドは、すでにスマートフォンにとって独占的な優位性を備えた主導的なプラットフォームとなり、アンドロイドが台頭する過程において、アップル等企業の特許訴訟も受けた。将来の潜在的な訴訟に対応し、アンドロイド連盟内部の協力関係を促進するために、グーグルはこのほどアンドロイドパテントプール組織PAXを設立し、連盟企業と23万件の特許を共有する。

http://tech.qq.com/a/20170404/004903.htm


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Beijing East IPについて
── http://www.beijingeastip.com/ja/
元中国国家知識産権局局長の高盧麟が会長の中国北京の特許事務所&法律事務所で、主に海外企業へ中国での特許・実用新案・意匠・商標等の出願、特許調査、無効審判・訴訟代理、セカンドオピニオンの提供など知的財産のトータルサービスを提供しています。東京にも事務所があります。

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バンゼンは日本の技術と中国をはじめ世界各国の技術を紹介し、企業ビジネスマッチングのトータルサービスを提供しています。

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